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本中山の米穀販売店「藤井商店」が減農薬米普及を支援

本中山の米穀販売店「藤井商店」が減農薬米普及を支援

本中山の米穀販売店「藤井商店」が減農薬米普及を支援

農大学生と提携し「トウキョウサンショウウオ米」を商品化

船橋市本中山の米穀専門販売店「藤井商店」(本中山2-1-24、国道14号沿い)が、絶滅危惧種に指定されているトウキョウサンショウウオの生育環境保護のための支援活動を行っています。

トウキョウサンショウウオは、体長8~13センチの日本固有の両生類で、千葉県を含む関東地方に生息しています。近年の開発や農薬の濫用、外来種のアライグマなどによる捕食により生息数が減少し、2020年に環境省により絶滅危惧種Ⅱ類に指定されました。

その保護のための取り組みが関東各地で始まっていますが、千葉県では千葉県立農業大学校(東金市)の学生らが活動を始めました。トウキョウサンショウウオ保護のためにはコメを減農薬で栽培することが求められますが、減農薬を進めるとジャンボタニシが繁殖しコメへの被害をもたらすことから、その対策が模索されていました。
同大学校の病害虫専攻教室がジャンボタニシの駆除方法を研究、同教室の学生・岩沢裕来さんがジャンボタニシ駆除トラップを考案し、コメ生産農家との連携に乗り出しました。

そこで登場するのが「藤井商店」です。藤井商店は、この企画に賛同し減農薬でコメ栽培する農家から、相場より高く生産物を買い取り「トウキョウサンショウウオ米」として商品化しました。これを藤井商店で販売するほか、農業大学校の学園祭などでも売られています。
また、学生らと藤井商店が協力してクラウドファンディング運営サイト「CAMPFIRE」にて活動資金の募集を行いました(現時点で終了)。これらの資金はジャンボタニシ駆除トラップの製作費やアライグマなどの獣害対策用電気柵の設置費用にあてると言います。

「トウキョウサンショウウオ米」誕生のきっかけは、藤井商店代表の藤井秀明さん(写真)が県立農業大学校の豊田祐輔副校長から「こういう企画があって、県立の学校は非営利団体なのでお米屋さんが協力してくれるとありがたいんだけど」と声をかけられたことでした。豊田副校長は千葉県の農林水産部で仕事をされていた方で、米穀小売商業組合の役員をしていた藤井さんと交流がありました。

昭和30(1955)年から続く藤井商店が、品種や産地、栽培方法を見極めた品質の高いものを、農家から直接仕入れ、適正価格で販売してきたことや、「お米マイスターがいるお米屋さん」として美味しい炊き方のアドバイスやお客様の好みに合った銘柄の紹介など、専門店ならではのサービスを行っていることを知っての要請でもありました。藤井さんは、「ぜひ、やりましょう!」と二つ返事で「トウキョウサンショウウオ米栽培研究会」に参加したと言います。こうして、農業大学校と稲作農家、町のお米屋さんとの三者の協力が生まれました。

この取り組みの指導教官・清水敏夫准教授は「トウキョウサンショウウオ米は多くの方々からご協力をいただき広く知ってもらうことができた。水路を含め水田地帯は、貴重な野生生物が生息している。米づくりを通してトウキョウサンショウウオなどの生きものとの永続的な共生を目指し、今後も学生とともに生物多様性の保全など様々な取り組みを行っていきたい」と意気込みを伝えています。

絶滅危惧種のトウキョウサンショウウオは、千葉県の自然環境の健全さを示すシンボルです。田んぼの農薬を減らす地域が増えれば、トウキョウサンショウウオをはじめヘイケボタルやニホンアカガエルなど貴重な生きものの生息環境を守ることができます。

藤井秀明さんは、「環境負荷の少ないお米づくりを応援することは、自然環境を守るとともに、からだに優しいお米を提供することにもつながる。お米屋さんとして協力していきたい」と引き続きの支援を明らかにしました。

「トウキョウサンショウウオ米」は藤井商店内で精米、色彩選別、計量・パッケージを行い作られています。同店ではオリジナルの300グラムのパッケージを作り、運動への協力金を含めて300円(税込)で販売しています。

 

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